2010年03月29日
ナイトビジョン
ウィキペディアから
ナイトビジョン (Night vision) は、暗闇の中でわずかな光を増幅することにより可視化する装置である。
暗視鏡・暗視装置とも呼ばれる。
元々は軍事技術として開発・発展したものだが、自動車など民生用に使用されることもある。
おおむね、第1から第3の3つの世代が存在する。機器の形態として、第1世代は、赤外線を可視光線に
変換するフィルタさえ装着できれば、どのような機器であっても対応できる。
第2世代、第3世代の機器の形式としては、望遠鏡のようなタイプや、頭部に装着するタイプなどがある。
また、単眼式と双眼式があるが、前者は距離感がない。
可視光線の波長の中間の色が緑色で、最も知覚しやすい色であるとされるため、ナイトビジョンの画像は、
たいていは緑色に調整されている。なお、赤外線にあるのは強弱であって、赤外線自体は可視光線
ではないのでそれ自体に色はない。
民生用に市販されているものに関しては、軍事目的に転用可能なため生産国の輸出制限など様々な制限がある。
原理的には、超音波や赤外線以外の電磁波を使ってナイトビジョンを作ることも可能だが、
後者に関してはレーダー画像衛星などは原理としては同じであるものの、いずれも実用性の面では困難である。
第1世代 [編集]
第二次世界大戦末期の1945年にドイツ軍が実用化したZG1229ヴァンピールが最初の暗視装置である。
アクティブ赤外線方式であり、これはStG44に装着して使用され、有効距離は100 mほどしかなかった。
後にアメリカ軍でもM3カービンとして同様の装置が実用化されベトナム戦争のころまで使用されていた。
M3カービンは銃を含めたシステム一式の重量が14 kgもあり大変に重くてかさばる装備だった。
重量の半分以上はバッテリーであるため、後年になるほどバッテリーの小型化による重量軽減が進むが、
それでもかなり重い装備であることに変わりなかった。
基本的な原理は通常の照明の代わりに、赤外線ライトで対象を照らし、赤外線イメージ管を
通して人間に見える映像に変換する。この赤外線イメージ管が高い電圧を必要とするために、
重い積層バッテリーを持ち歩かなければならなかった。仕組みとしてはスコープに赤外線フィルタを
付けただけのもので、バッテリーは赤外線ライトのためだと誤解されることがあるが、
ライトの電源としてはそれほど大きなものが必要なわけではない。
反射してきた赤外線を赤外線フィルタ越しに見ても人間の目には見えない。
赤外線フィルタはライトから可視光線が出ないようにするためのものである。
赤外線は人の目には見えないので、暗い所で赤外線ライトで照らし赤外線カメラで
観測すれば相手に知られず暗闇が見えるが、相手も同様の装置を持っていると
丸見えになってしまうため、ソビエト連邦軍を初めとする共産圏でも同様の装備が
出てくるようになると廃止せざるえなくなった。
赤外線ライトの出力によって視認距離が変わるため、ドイツ軍ではSd Kfz 251/20
赤外線照射灯搭載型の車両が作られたりした。
第2世代は、微弱な可視光線を増幅し、像を生成する光増式である。
スターライトスコープとも呼ばれる。この名称は夜間の星の明かりくらいの光を
増幅するたとえに由来する。増幅といってもデジタル処理などではなく、
放射性物質を塗布した光増幅管の物理効果で光を増幅する。原理は単純だが、
非常に減衰した可視光線の情報を、アナログな原理で増幅するという原理上、
高解像度の像を作り出すことは非常に難しい。照明弾や探照灯などで照らされると、
限度以上に光を増幅しオーバーロードするのはこの形式である。
また、民生用の最上位世代として 2.5世代というスペックも存在する。
第3世代 [編集]
物体から放出される赤外線を増幅・可視化するのがパッシブ式赤外線スコープである。
あらゆる物体はそれ自身の温度によった赤外線を出している(放射温度計などを参照)。
例えば兵士や対空砲台が森に隠されていれば、その微妙な温度差による赤外線の
強さを画面に表示して見分けられる。いわゆるサーモグラフィ画像である。第2世代までは
何らかの照射する光源が必要だったが、第3世代は完全に密閉されまったく
照射光がない状況でも見ることができる。赤外線は可視光線と比較して、解像度は劣るが
透過能力は若干高いため、ある程度であれば、煙越しに像を捕らえることもできる。
初期のものは重量とサイズが大きすぎて歩兵用装備として使えなかった、
小型化を難しくした最大の原因は-180 ℃以下にまで冷却しなければ赤外線受光素子が
機能しないこと、赤外線受光素子が一次元のみなので、画像を得るために機械的な
走査線スキャン装置が必要だったことにあり、冷却のためにガスボンベが必須であり、
ガスの残量が使用可能時間を制限した。
スターリングエンジンを応用したスターリングクーラーが実用化されると歩兵が
肩に担げるほどにまで小型化されたが、歩兵用としてはまだ大きすぎた。
1990年代になって冷却を必要としない二次元受光素子が開発され、
初めて小銃のスコープに装着できる実用的なものが完成した。
しかし、現状ではコストが高く機密であるため、軍事など特殊用途向けのみである。
コスプレ用に

ミリタリーウェブショップITEM-G
ナイトビジョン (Night vision) は、暗闇の中でわずかな光を増幅することにより可視化する装置である。
暗視鏡・暗視装置とも呼ばれる。
元々は軍事技術として開発・発展したものだが、自動車など民生用に使用されることもある。
おおむね、第1から第3の3つの世代が存在する。機器の形態として、第1世代は、赤外線を可視光線に
変換するフィルタさえ装着できれば、どのような機器であっても対応できる。
第2世代、第3世代の機器の形式としては、望遠鏡のようなタイプや、頭部に装着するタイプなどがある。
また、単眼式と双眼式があるが、前者は距離感がない。
可視光線の波長の中間の色が緑色で、最も知覚しやすい色であるとされるため、ナイトビジョンの画像は、
たいていは緑色に調整されている。なお、赤外線にあるのは強弱であって、赤外線自体は可視光線
ではないのでそれ自体に色はない。
民生用に市販されているものに関しては、軍事目的に転用可能なため生産国の輸出制限など様々な制限がある。
原理的には、超音波や赤外線以外の電磁波を使ってナイトビジョンを作ることも可能だが、
後者に関してはレーダー画像衛星などは原理としては同じであるものの、いずれも実用性の面では困難である。
第1世代 [編集]
第二次世界大戦末期の1945年にドイツ軍が実用化したZG1229ヴァンピールが最初の暗視装置である。
アクティブ赤外線方式であり、これはStG44に装着して使用され、有効距離は100 mほどしかなかった。
後にアメリカ軍でもM3カービンとして同様の装置が実用化されベトナム戦争のころまで使用されていた。
M3カービンは銃を含めたシステム一式の重量が14 kgもあり大変に重くてかさばる装備だった。
重量の半分以上はバッテリーであるため、後年になるほどバッテリーの小型化による重量軽減が進むが、
それでもかなり重い装備であることに変わりなかった。
基本的な原理は通常の照明の代わりに、赤外線ライトで対象を照らし、赤外線イメージ管を
通して人間に見える映像に変換する。この赤外線イメージ管が高い電圧を必要とするために、
重い積層バッテリーを持ち歩かなければならなかった。仕組みとしてはスコープに赤外線フィルタを
付けただけのもので、バッテリーは赤外線ライトのためだと誤解されることがあるが、
ライトの電源としてはそれほど大きなものが必要なわけではない。
反射してきた赤外線を赤外線フィルタ越しに見ても人間の目には見えない。
赤外線フィルタはライトから可視光線が出ないようにするためのものである。
赤外線は人の目には見えないので、暗い所で赤外線ライトで照らし赤外線カメラで
観測すれば相手に知られず暗闇が見えるが、相手も同様の装置を持っていると
丸見えになってしまうため、ソビエト連邦軍を初めとする共産圏でも同様の装備が
出てくるようになると廃止せざるえなくなった。
赤外線ライトの出力によって視認距離が変わるため、ドイツ軍ではSd Kfz 251/20
赤外線照射灯搭載型の車両が作られたりした。
第2世代は、微弱な可視光線を増幅し、像を生成する光増式である。
スターライトスコープとも呼ばれる。この名称は夜間の星の明かりくらいの光を
増幅するたとえに由来する。増幅といってもデジタル処理などではなく、
放射性物質を塗布した光増幅管の物理効果で光を増幅する。原理は単純だが、
非常に減衰した可視光線の情報を、アナログな原理で増幅するという原理上、
高解像度の像を作り出すことは非常に難しい。照明弾や探照灯などで照らされると、
限度以上に光を増幅しオーバーロードするのはこの形式である。
また、民生用の最上位世代として 2.5世代というスペックも存在する。
第3世代 [編集]
物体から放出される赤外線を増幅・可視化するのがパッシブ式赤外線スコープである。
あらゆる物体はそれ自身の温度によった赤外線を出している(放射温度計などを参照)。
例えば兵士や対空砲台が森に隠されていれば、その微妙な温度差による赤外線の
強さを画面に表示して見分けられる。いわゆるサーモグラフィ画像である。第2世代までは
何らかの照射する光源が必要だったが、第3世代は完全に密閉されまったく
照射光がない状況でも見ることができる。赤外線は可視光線と比較して、解像度は劣るが
透過能力は若干高いため、ある程度であれば、煙越しに像を捕らえることもできる。
初期のものは重量とサイズが大きすぎて歩兵用装備として使えなかった、
小型化を難しくした最大の原因は-180 ℃以下にまで冷却しなければ赤外線受光素子が
機能しないこと、赤外線受光素子が一次元のみなので、画像を得るために機械的な
走査線スキャン装置が必要だったことにあり、冷却のためにガスボンベが必須であり、
ガスの残量が使用可能時間を制限した。
スターリングエンジンを応用したスターリングクーラーが実用化されると歩兵が
肩に担げるほどにまで小型化されたが、歩兵用としてはまだ大きすぎた。
1990年代になって冷却を必要としない二次元受光素子が開発され、
初めて小銃のスコープに装着できる実用的なものが完成した。
しかし、現状ではコストが高く機密であるため、軍事など特殊用途向けのみである。
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