2011年12月15日
2011-12-15 仕入
軍事用語辞典から
海上保安庁
日本政府が国土交通省の外局として設置・
運営している海上警察組織。
英語表記では「Japan Coast Guard
(ジャパン・コースト・ガード)(JCG)」と呼ばれている。
第二次世界大戦後の1948年、アメリカ沿岸警備隊
(U.S.Coast Guard)をモデルとして設立された*1。
海上保安庁公式webサイト
http://www.kaiho.mlit.go.jp/
↑
その任務 †
現在、海保が行う主たる任務は次の4種類と
されている。
警備業務
日本の領海及びその中にある船舶、または
領海外にある日本国籍の船舶内で発生した犯罪の
捜査や被疑者の検挙、重要港湾・船舶の警備など。
(このため、現場で業務にあたる海上保安官
には幅広い権限が与えられている。
詳しくは該当項目を参照のこと)
海難救助業務
海上で遭難した船舶・航空機及びその乗客・
乗員の捜索救助、医療機関が整っていない離島や
船舶からの急患輸送、事故船舶の消火や
それに伴う海洋汚染の防止など。
海洋情報業務
海図の作成、潮流の測定、海底地形の調査など。
交通業務
海上交通の円滑化を図るため、灯台・航路標識
・航法支援システムなどを設置・管理する。
また、この他にも領海警備や海洋調査などの
「海洋権益の保全」も任務としており、四方を海に
囲まれた日本の「国境警備隊」としての役割も
果たしている。
↑
海の「もしも」は118番 †
海上における事故・犯罪の通報は、当該船舶や
付近を航行する船舶などからの無線通報によるもの
が多いが、2000年からは「118」(市外局番・
市内局番なし)をダイヤルすることで、船舶電話や
陸上の固定電話・携帯電話からも通報が
できるようになった。
これをダイヤルすると、船舶電話の場合は
海保本庁に、陸上の電話からは発信地を管轄
する管区海上保安本部(全国11ヶ所)に接続され、
その通報によって巡視船艇・航空機を出動させて
事態の解決にあたる。
以前は海保本庁及び各海上保安部署の
通報専用電話「市外局番-市内局番-4999」で
受け付けていたが、現在でもこれは稼動しており、
どちらにかけてもよい。
また、海難事件や事故の通報で110番(警察)や
119番(消防・救急)に誤ってかけた場合でも
すぐに海保へ取り次がれる。
しかし実際には、知名度の低さからか有効な通報は
1%程度と低く、海保は頭を悩ませているという。
↑
国内外での位置づけ †
上述のように、海保は日本の領海上における
治安維持組織であると同時に国境警備隊の
性格も併せ持ち、軍隊に準じた強力な武装組織で
あることから、国際的には「準軍事組織」として
扱われているが、日本政府では法律(海上
保安庁法)により「軍隊ではない」としている。*2
ただし、有事の際に自衛隊に「防衛出動」
「治安出動」「国民保護出動」命令が発動された
ときには、自衛隊法第80条により防衛大臣の
指揮下に組み込まれ、海上自衛隊と共に行動
できることになっている。
(これは、モデルとなったアメリカの沿岸警備隊が
有事には海軍の指揮下に組み込まれることに
倣ったもの、とされている)。
なお、一部では「本来、交通・運輸政策を遂行する
行政庁である国土交通省が(軍隊に準じる)
武装組織を持っているのはおかしい」として、
「防衛省の外局とすべきではないか」という意見
も存在している。
この声自体は設立当初からあり、1950年代には
「海上公安局」という組織へ改編した上で
「保安庁(防衛省の前身)」の隷下へ組み込むことが
検討され、そのための法律まで制定されたが、
海保内部の強い反対で凍結されてしまい、
保安庁の「防衛庁」への改編とともに法律も
施行されないまま)廃止となった。
創設当初、同庁の英文表記は日本語を直訳した
「Maritime Security Agency(マリタイム・セキュリティ
・エージェンシー)(MSA)」となっていたが、外国の
海事関係者から「海洋警察なのか海事サービス
組織なのか判らない」という批判が多かったため、
現在は上記の通り「Japan Coast Guard(JCG)」と
改められている。
↑
海上自衛隊との関係 †
上記にもあるように、有事において海保は海上
自衛隊とともに行動できる、とされていたが、
その関係は必ずしも良好とはいえない時代が
長く続いていた。
これは設立当初の事情が多く作用していた、
と言われている。
現在、海保が受け持っている種々の業務は
第二次世界大戦の終結まで海軍が行っていたもの
であるが、大戦の終結に伴って軍隊が解体された
ことでこれらの業務が行われなくなっており、
その解決策として海保が設立されることとなった。
設立に当たって、主な人材供給源となるべき
海軍は、主だった幹部(海軍兵学校出身者が主体)
がGHQの指令により公職へ就くことを禁じられ
ていたため、人材は海軍予備学生*3や民間船舶
業界の出身者を中心に構成されていた。
しかし彼らは、戦時中に通商保護をあまりにも
軽視していた海軍により多くの犠牲を払わされた
経験があり、後に設立された海自を「海軍の後身」
として敬遠する感情が支配的であったという。
このため、同時期に就役している巡視船艇と
自衛艦で全く同じ名前が使用されるなどの
不具合が起きていた。
しかし近年では、海自・海保の双方で戦争経験者
の退職による人材の世代交代が完了したことや
、「不審船」事案など、共同行動を要する事態が
頻発していることから徐々に改善が進んでいる。*4
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AMMO BOX (大) 希少文字入り、
BDUベルト×4、
USMC プリント Tシャツ。

ウェブアップ12月15日~16日 予定。
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ミリタリーウェブショップITEM-G
海上保安庁
日本政府が国土交通省の外局として設置・
運営している海上警察組織。
英語表記では「Japan Coast Guard
(ジャパン・コースト・ガード)(JCG)」と呼ばれている。
第二次世界大戦後の1948年、アメリカ沿岸警備隊
(U.S.Coast Guard)をモデルとして設立された*1。
海上保安庁公式webサイト
http://www.kaiho.mlit.go.jp/
↑
その任務 †
現在、海保が行う主たる任務は次の4種類と
されている。
警備業務
日本の領海及びその中にある船舶、または
領海外にある日本国籍の船舶内で発生した犯罪の
捜査や被疑者の検挙、重要港湾・船舶の警備など。
(このため、現場で業務にあたる海上保安官
には幅広い権限が与えられている。
詳しくは該当項目を参照のこと)
海難救助業務
海上で遭難した船舶・航空機及びその乗客・
乗員の捜索救助、医療機関が整っていない離島や
船舶からの急患輸送、事故船舶の消火や
それに伴う海洋汚染の防止など。
海洋情報業務
海図の作成、潮流の測定、海底地形の調査など。
交通業務
海上交通の円滑化を図るため、灯台・航路標識
・航法支援システムなどを設置・管理する。
また、この他にも領海警備や海洋調査などの
「海洋権益の保全」も任務としており、四方を海に
囲まれた日本の「国境警備隊」としての役割も
果たしている。
↑
海の「もしも」は118番 †
海上における事故・犯罪の通報は、当該船舶や
付近を航行する船舶などからの無線通報によるもの
が多いが、2000年からは「118」(市外局番・
市内局番なし)をダイヤルすることで、船舶電話や
陸上の固定電話・携帯電話からも通報が
できるようになった。
これをダイヤルすると、船舶電話の場合は
海保本庁に、陸上の電話からは発信地を管轄
する管区海上保安本部(全国11ヶ所)に接続され、
その通報によって巡視船艇・航空機を出動させて
事態の解決にあたる。
以前は海保本庁及び各海上保安部署の
通報専用電話「市外局番-市内局番-4999」で
受け付けていたが、現在でもこれは稼動しており、
どちらにかけてもよい。
また、海難事件や事故の通報で110番(警察)や
119番(消防・救急)に誤ってかけた場合でも
すぐに海保へ取り次がれる。
しかし実際には、知名度の低さからか有効な通報は
1%程度と低く、海保は頭を悩ませているという。
↑
国内外での位置づけ †
上述のように、海保は日本の領海上における
治安維持組織であると同時に国境警備隊の
性格も併せ持ち、軍隊に準じた強力な武装組織で
あることから、国際的には「準軍事組織」として
扱われているが、日本政府では法律(海上
保安庁法)により「軍隊ではない」としている。*2
ただし、有事の際に自衛隊に「防衛出動」
「治安出動」「国民保護出動」命令が発動された
ときには、自衛隊法第80条により防衛大臣の
指揮下に組み込まれ、海上自衛隊と共に行動
できることになっている。
(これは、モデルとなったアメリカの沿岸警備隊が
有事には海軍の指揮下に組み込まれることに
倣ったもの、とされている)。
なお、一部では「本来、交通・運輸政策を遂行する
行政庁である国土交通省が(軍隊に準じる)
武装組織を持っているのはおかしい」として、
「防衛省の外局とすべきではないか」という意見
も存在している。
この声自体は設立当初からあり、1950年代には
「海上公安局」という組織へ改編した上で
「保安庁(防衛省の前身)」の隷下へ組み込むことが
検討され、そのための法律まで制定されたが、
海保内部の強い反対で凍結されてしまい、
保安庁の「防衛庁」への改編とともに法律も
施行されないまま)廃止となった。
創設当初、同庁の英文表記は日本語を直訳した
「Maritime Security Agency(マリタイム・セキュリティ
・エージェンシー)(MSA)」となっていたが、外国の
海事関係者から「海洋警察なのか海事サービス
組織なのか判らない」という批判が多かったため、
現在は上記の通り「Japan Coast Guard(JCG)」と
改められている。
↑
海上自衛隊との関係 †
上記にもあるように、有事において海保は海上
自衛隊とともに行動できる、とされていたが、
その関係は必ずしも良好とはいえない時代が
長く続いていた。
これは設立当初の事情が多く作用していた、
と言われている。
現在、海保が受け持っている種々の業務は
第二次世界大戦の終結まで海軍が行っていたもの
であるが、大戦の終結に伴って軍隊が解体された
ことでこれらの業務が行われなくなっており、
その解決策として海保が設立されることとなった。
設立に当たって、主な人材供給源となるべき
海軍は、主だった幹部(海軍兵学校出身者が主体)
がGHQの指令により公職へ就くことを禁じられ
ていたため、人材は海軍予備学生*3や民間船舶
業界の出身者を中心に構成されていた。
しかし彼らは、戦時中に通商保護をあまりにも
軽視していた海軍により多くの犠牲を払わされた
経験があり、後に設立された海自を「海軍の後身」
として敬遠する感情が支配的であったという。
このため、同時期に就役している巡視船艇と
自衛艦で全く同じ名前が使用されるなどの
不具合が起きていた。
しかし近年では、海自・海保の双方で戦争経験者
の退職による人材の世代交代が完了したことや
、「不審船」事案など、共同行動を要する事態が
頻発していることから徐々に改善が進んでいる。*4
-----------------------------------------------------
AMMO BOX (大) 希少文字入り、
BDUベルト×4、
USMC プリント Tシャツ。

ウェブアップ12月15日~16日 予定。
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Posted by gensan at 13:19│Comments(0)
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